冬空の下に集いし 2

2017-02-21

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<2/19の続き>
「みんな跳べてんだから、いけるだろ」

褐色の向こうに、青い車影が霞む。同じ2ストローク、40ccほど上乗せされた排気量が、ひと回り太ったエグゾーストを白煙とともに弾き出す。あれから、ちょうど一週間。受付のsaitoさんにカミさんの携帯番号を伝え、息子にはLINEを残し、ざりままの軌跡を何度も目で追っては、パドックでハンドルバーの角度を細かく調整する。自分の息子のCRF150RⅡにぶつけた言葉を思い出しながら、フープスの上、自分自身に言い聞かせる。「手前のテーブルは焦らず越えて、ゆっくりていねいに」、そして「跳ぶ、跳べる」と。

<つづく>
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冬空の下に集いし

2017-02-19

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ビッグテーブルを跳び越え、舞う砂塵のはるか先を追いかける。固く乾いた感触がハンドルバーを伝い、開いた両腕から握力が抜けていく。バックストレートに沿って走る、緩やかな直線。2ストローク85ccが5速に入ってすぐ、軽く上りながらの左カーブが待っている。フロントのブレーキレバーに指を残したまま一気にシフトを3つ落とすはずが、レバーを引くタイミングも握るチカラも、土煙に巻かれて、まるで見えてこない。かすかに沈んだフロントフォークに気づき、クラッチレバーも握らず、立て続けにシフトペダルを3回踏みつける。リヤタイヤがロックして、ようやくRMが減速を始めた。

<つづく>

エンスト、水浴び、前回り 5(完)

2017-02-18

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乾いているはずのものが濡れていく、そのやるせなさ。

いつの頃からか、その感触を楽しむココロも失くしていた。雨上がりの河川敷、道幅いっぱいに広がった水たまりに向かって嬉々としていたのも、遠い昔のことに感じる。雨の日のレースも走らなくなった今では、高圧洗車機でマシンの泥を落とすときですら、足下が濡れるのを嫌がる始末。右脚から半身を水に浸けながら、いったい楽しく走れているのか、だんだんわからなくなっていた。

そんな思いを断ち切るように、泥水に片足を突っ込んで、アップサイドダウンのままのRMを押し上げてくれたのは・・・ワダチを刻んだ一人だった。迷うことなく走り寄ってくれた派手なウェアに「ありがとう」と短く言葉を伝え、泥にまみれた右手を、黒土がたっぷり塗られたグリップに添えて、シートに跨がる。モトパンから染み出た褐色が冷たくサイドカバーを伝い、路面に垂れて落ちる。

このすぐ後に、この同じコーナーでもう一度、今度は派手に前転することになるとは・・・サイレンサーから真っ白な煙が消えてなくなるまで、十分に空吹かしをして出て行くワタシに、誰も教えてはくれなかった。
そして、今度は一人マシンを起こしてパドックに帰ると、思うようにいかないもどかしさを、もう笑うしかない大人がもうひとり、そのRMを待ってくれていた。

杉林に陰る午後のパドック。二人の声は風に乗り、空の青へ溶けていった。

エンスト、水浴び、前回り 4

2017-02-17

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クリッピングポイントまで、前下がりに走るRM85L。右手はスロットルグリップを閉じたまま、右足はブレーキペダルに触ったままだ。そして、うまく1速に落ちなかったエンジンは、細い2ストロークの鼓動を止めてしまうと同時に、フロントタイヤをワダチの縁にこすりつけ、右に大きく、面白いぐらいに一気に傾げた。くぼみの上っ面を滑るSIDIの底。宙をさまよった右脚は、ついにマシンの勢いを押しとどめることはできなかった。

<つづく>

エンスト、水浴び、前回り 3

2017-02-16

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<2/13の続き>
アウトに弾かれ、転げ落ちたYZ250Fを、三人掛かりで引っ張り上げている。その姿をゴーグルレンズに映しながら、するりと抜けていくはずだった・・・。

<つづく>

プロフィール

ナノハナ274

Author:ナノハナ274
ただいまモトクロスに熱中!

最近のTEAMナノハナ

フルコースでも、ワダチに入れなくちゃあ楽しさ半減。ジャンプもいいけど・・・ワダチも練習せねば!
あとは木曜日の雨次第かなぁ。
<これからの予定>
2/25(土):MOTO-X981

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