春、近し

2017-02-15

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月影残る西の空にも、すっきりとした青が広がり、朝が凛と目覚める。霜柱の立つ畦道。まだ冷たい風をはらんだ枯れ草から、ヒバリがせわしく跳び上がった。見上げる青の中、その声に生まれたばかりの陽が眩しい。

この風も少しずつ向きを変えていって、明日は南風になるという。思わず跳びだしたヒバリには、それがわかるらしい。まだひんやりと鼻腔を触る風に杉の子を感じて、ちょっとむず痒くなった。春は、近い。
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聖なる日に

2017-02-14

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冬は宵闇。

星明かりさえ眩いこの季節、街にも灯りがよく映える。そして、モノトーンに浮かぶネオンに今宵、恋人たちが愛を誓う。バレンタイン司教を偲ぶ記念日は、義理であっても本命でも、いつの時代も世の男どもを惑わせることをやめない。もはや義理と変わらぬチョコを頬張りながら、液晶の向こうに、バブル華やかなりしころを思い出す。たしかに甘くて、いい時代だった。

風と陽光と、

2017-02-06

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気の早い春待人が、甘い西風にコートを置き去りにして、陽光射す快速電車に乗り込んできた。内側の靴底が異様にすり減った黒い革靴に、余裕のありすぎるスラックス。その灰色には紺色のブレザーと淡い青のシャツを合わせ、明るめのタータンチャック柄が胸元の逆三角をかすかに彩っている。そのまま高校に通えそうな顔には黒のセルフレームが光り、唇を真っ直ぐに結んでは、両腕をきちっと組んでイスの上。手のひらを小脇に差し込み、肩をすぼめたようにしている。ちょっぴり悔いているのかもしれなかった。

地下鉄に乗り換えようと、その彼と一緒に電車を降りる。地上から階段を潜り込んでいくと確かに、暗がりにも似たひんやりした空気が漂っている。それでも近づく気配はさっきまで、その風、その陽射しに宿っていた。風と陽光の季節。マスクなしでいつまで我慢できるのか、そんな季節がまた巡ってきた。

風神、現る

2017-02-03

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ようやく6年が過ぎようとしている大震災に遭い、大きく揺さぶられた古い工場は、あちらこちらの建て付けに、うっすら隙間ができてしまっている。数日来の強い北風が、その隙間をこじ開けようと突っ込んでは、叫ぶように烈しい声音を辺りに響かせる。

白壁が直方体を取り囲むだけの意匠は、小学生でさえ工作意欲のわかない簡単な造形。それらを渡り廊下が2本、3階の辺りでつないでいる。そして4階建ての最上階には、今では従業員の数をはるかに上回ってしまったビニールイスが、長いテーブルに整然と並べられている。

渡り廊下のつなぎ目に近く、風の通り道を塞いでいる傍のデスクで、パソコンのキーを叩き続ける。午後になって和らいだのか、思考を途切る音にだんだん気づかなくなってきた。それでも行き詰まり、両手を止めて瞳を閉じれば、やっぱり風の音は聞こえていた。

年の数だけ豆を撒かなくても、季節を分ける荒くれ声は、風に遠く霞んでしまいそうだ。

如月の初夜

2017-02-01

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風に如月の初夜が冴えわたる。月の隠れた淡い漆黒にオリオンは寝そべり、大きくヒシャクを描く七星が、その横で不揃いのヒカリを放つ。そして、見上げる帳の裾をさらうように気紛れに、音を上げてはあちこちぶつかりながら吹き抜けていく、北からの使い。外灯の細いヒカリは、ずっと揺れっぱなし。通りを走るクルマの声も、今夜は届かない。

プロフィール

ナノハナ274

Author:ナノハナ274
ただいまモトクロスに熱中!

最近のTEAMナノハナ

フルコースでも、ワダチに入れなくちゃあ楽しさ半減。ジャンプもいいけど・・・ワダチも練習せねば!
あとは木曜日の雨次第かなぁ。
<これからの予定>
2/25(土):MOTO-X981

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