manmi

2017-08-15

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半島をめぐる旅に選んだ宿は、千里浜沿いの松林に、横に長く建っている。まるで林の中に身を隠すように、浴場から食堂、大広間、そしてすべての客室を背の低い二階建てに詰め込み、細いアスファルトに寄り添い建っている。潮風の漂うアスファルトには砂がかぶり、そのまま砂の転がる方とは逆に降りていけば、茶色に締まった海砂の上、ツーリストの駆る二輪車が、薄い轍を引いて走っていくのが見える。その向こうに広がる海は、浅瀬に子供連れの戯れる姿を映して、夏の陽に輝いていた。

<つづく>
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初めての夏 4(完)

2017-07-20

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二つの明るいライトが続けざまに砂利を踏みしめていく。

クラブハウスからこぼれる灯りが届かなくなると、手にしたマグライトだけが頼りになる。真っ暗なパドック。目の前の町道を走るクルマもなくて、どこまでも続く静けさの中、青いSIERRA DESIGNSのテントだけが一歩一歩近づいてくる。

フライシートのジッパーを上げて、そのままポールに巻き付ける。前室にカラダを屈めて、ジッパーのとおりに右手で半円を描くと、薄いリップストップナイロンが、テントの内にパサリと落ちた。

そのままアルミのロールマットに寝ころぶと、温いビニールの臭いがした。メッシュを抜ける夜気が、ほんのり湿っている。MOTO-X981で過ごす、初めての夏。この夏の夜がまた、懐かしい話のひとつになる。瞳を閉じた耳に、夏の夜の声がそよいでいた。

初めての夏 3

2017-07-19

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ビールのホップか焦げた肉片か。
それともただ、笑いすぎただけなのか。

今度はほどよく脂の残った豚ロースをつまんで、苦く乾いた喉にまた琥珀で流し込む。木から木へとぶら下がった灯りは、いよいよ夜に映えて、テーブルの上が、アルミの缶で埋められていく。YouTubeがさっきからずっと、昭和を賑わせたミリオンヒットを流し続けて、ワタシより一回り年下のニセマナブだけが、まったく乗れない顔で、独り肉をほおばっている。

そのカレが、女性専用車両に乗り込んでしまった時のことを話し始めた。そんなどうでもいい話が、どうして始まったのかもわからない。でも、みんな大きな声で笑っている。幼い頃からモトクロスを走ってきたkyo-chanが、キッズ時代を振り返っては、matsunagaさんが、それをすっと遡る。「A型とB型がAB型を産んだの」と鼻を膨らませたざりままの隣で、A型のざりぱぱが違うことをしゃべりだして、独りで笑っている。こうなると新参者になってしまうkojimaさんに、saitoさんが真っ赤なコークを黙って手渡した。

そして・・・ここに居ないはずのkenyaさんが、パドックの武勇伝で話を盛り上げると、夜会の灯がゆっくりと落ちていく。「一緒に走るのが居ないと・・・モトクロスもつまんないよね」、誰かが静かに笑った。

<つづく>

初めての夏 2

2017-07-18

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キキキキキッと鳴くヒグラシに、赤ら顔が林の奥へと振り向いた。

その鳴く方は、もう夜の帳につつまれている。そして、ryoと二人、モトクロスを始めた頃からコースを走っていた顔のひとつひとつが、枝に渡された裸電球の灯りに照らされる。昔を懐かしんでも、誰も文句は言わない。みんな、笑顔だ。気心の知れた仲間に昔話を重ねていくうち、夜が一気に落ちてきた。

<つづく>

初めての夏

2017-07-17

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暮れなずむ西の空に、いくつもの人影が浮かび上がる。

まっすぐ伸び上がった杉木立に涼風がそよぎ、炭の熾火を赤々と照らしていく。ある者は冷えたビールを手にあおり、ある者は焼き上がったばかりの肉を割り箸でほおばり、横長のプラスチック製のテーブルは、いつもとは違う笑い声に囲まれていた。

アルコールを置いておく隙間もないほどに並べられるのは、炭火の焼き肉だけじゃない。塩の利いた枝豆にヒラメの刺身、鰹のタタキは塩とタレの両方が揃い、焼きそばにもちろん乾き物だって忘れていない。アルコールと肴の数々が、みんなの舌をなめらかにしていく。

<つづく>

プロフィール

ナノハナ274

Author:ナノハナ274
ただいまモトクロスに熱中!

最近のTEAMナノハナ

kyo-chanのおかげで・・・楽しくにぎやかな981を満喫 (^o^)v

<これからの予定>
8/20(日):MOTO-X981
8/27(日):MOTO-X981

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