真っ赤な女の子

2017-08-06

Tag :

最終コーナーから立ち上がるCRF250Rが、コースインを待つRM85Lに気づいて、少しだけスロットルを戻した。そして、視線をこちらに向けたまま、目の前をゆっくり過ぎていく。ヘルメットを傾げるようにして視線を交わしスロットルを煽ると、色の付いたゴーグルレンズの奥で、あの大きな瞳が笑った気がした。

回転の落ちる前に左の人差し指と中指を放してクラッチレバーをリリース、誘われるまま「MANAMI」と描かれた背中へと右手を捻る。今日はカメ、カノジョのお手並み拝見だ。第1コーナーに続く荒れた路面に4と2の音が入り交じって跳ね返り、右回りのすり鉢を、2台がまったく同じラインで立ち上がっていく。

<つづく>

「やっぱ、楽しいわ」 10(完)

2017-08-05

Tag :

いつもなら譲ってしまうのに、今日はどうかしている。そしてそのまま、右手がしびれるまで4ストロークのフルサイズマシンを引き連れ走り続けた。ようやく午後に終止符を打ち、最終コーナーをゆっくり回っていくと、濃い林の影にyuutaくんが、思いきりスロットルを煽っていった。その音だけを送り、パドックへと下りていくRM。入れ替わるように出て行ったYZ125には、背中に「KOUTA」の文字と「114」が描かれていた。

ルーストを上げて反転、コーナーとコーナーをまっすぐ結ぶやり方は、メーカーを背負い走ってきただけのことはある。

シートの後ろに腰を「く」の字に引いて、ステップに立ち上がったまま、最後の右カーブへとYZ125が走る。アウトバンクいっぱいに車体が翻り、クラッチレバーにかけられた左指にリヤタイヤが操られて、そこから林の先へと一気に駆けていく。第2コーナーを褐色の砂塵に包み、乾いた2ストロークサウンドがテーブルトップの向こうで折り返すと、古びたONEALのジャージが、目の前のフープスでゆっくりと動きを止めた。

「やっぱ、楽しいわ。モトクロス最高!」

ゴーグルレンズの奥で瞳が笑い、頬に汗のような粒を光らせて、saitoさんが声を張り上げる。コースサイドの仲間たちも、つられて笑顔になる。MOTO-X981には、こんな素敵な男がいてくれる。いつしか雨も消えて、雲の割れた空から夏の陽が、ぼんやりとのぞき込んでいた。

「やっぱ、楽しいわ」 9

2017-08-04

Tag :

RM-Z250のエンジンストップでバトルも途切れて、ゆるんだ口元のまま、パドックに帰っていく。今日は日除けじゃなくて、時折落ちてくる通り雨を避けるためのサンシェードに、いくつもの笑い声が満ちていく。少しだけ湿った、夏の涼風に気を良くして、すぐに愛機のシートにまたがると、キックペダルに手をかけた。85ccらしい、ひときわ高い排気音が、その湿った風に乗って流れていく。

まるで心許ないコックピットは、ヒザの下で挟みつけるガソリンタンクの小ささなのか、短いハンドルバーのせいなのか。とにかくフルサイズから戻ってRM85Lを走らせると、自分がガリバーにでもなった気がしてくる。そんな戸惑うワタシの後ろに今度は、YZ250Fが張り付いた。yuutaくんだ。交わすのにコーナーひとつもあれば十分なカレが、なぶるように後ろから爆裂音を響かせる。

それはそれで、悪くない。ミニモト相手に大人げない走りを、見るではなく背中で感じながら、コーナーを抜けて、テーブルを跳ねていく。

<つづく>

「やっぱ、楽しいわ」 8

2017-08-03

Tag :

幅の広いハンドルバーが、ギャップを拾うたびに大きく左右に振られる。そして、グリップに伸ばした短い両腕が、さらにその振幅を増幅させる。

730mmのハンドルバーと85ccのマシンサイズに慣れたカラダに、フルサイズのYZ125は、いかにも大柄だ。コースインしてすぐの勾配、すっかりギャップが並んでしまった第1コーナーへのアプローチで、リヤタイヤは跳ね上がり、そのたびシートが尻を叩いてくる。「後ろ」が効き過ぎる、均整のとれていないブレーキにとまどいながら、小さなすり鉢にも似た右カーブを回ると、125ccの余裕が車体を押しつけるように、目の前に迫る斜面をするすると上っていく。

あまりにあっけなくフープスを過ぎ、ビッグテーブルトップを越えてインフィールドのストレートを駆ける頃になってようやく、YZ125が手の内にやってきた。ストレートエンドから左、右と切り返して無駄に高く跳び上がるシングルジャンプも、大径のタイヤと十分なストロークを持ったサスペンションで、まるで気にならない。コースで最もきつい曲率の左カーブでハンドルバーを路面へと落としながら曲がっていると・・・今度はkojimaさんの黄色いフェンダーが迫ってきた。

2ストローク125ccに乗るのも、追いつ追われて走るのも、ワクワクが止まらない。昼休みに雨を撒いた空が白く光り始めて、薄日の中、いつもとは違う高い視点から路面を見下ろし、鈍いブレーキレバーを引きずりながら、バンクを駆けていく。

<つづく>

「やっぱ、楽しいわ」 7

2017-08-02

Tag :

ノービスクラスとは言え、MCFAJのシリーズチャンピオンを手にしただけのことはある。

数ヶ月のブランクも、今のカレには当たり前の時間らしい。直線がやってくるたびにフロントタイヤをちらつかせては、コーナーの入り口で、楽しそうに後ろへ下がっていく。追われるミニモトには、かなり辛い周回の繰り返えし。そして、フープスを抜けた左ターンで、RMが完璧にインを刺された。車体半分だけ前に出た青い2ストロークが、似たような音を散らしてリップを蹴り、先にビッグテーブルトップを跳び上がる。すぐに黄色の小さな車体も宙に翻ると、その先、インフィールドのストレートで、散水にぐっしょり濡れたラインへと追いやられる。

それでも絡んで走れるのは楽しくて・・・それが気の知れた仲だから、なおさら。ゴーグルレンズに飛び散った泥を左の指先で弾いて、右手が動かなくなるまでスロットルを絞り上げる。温い加速を見せるYZ125に、黄色いフロントフェンダーをこするように近づいて、バックストレートの高く跳び上がるジャンプを、2台で続けざまに跳び抜けていく。

午後になると、そんなtakaのYZ125は・・・ワタシやyuutaくん、そしてもう一人を、代わる代わる楽しませるマシンになっていた。

<つづく>

プロフィール

ナノハナ274

Author:ナノハナ274
ただいまモトクロスに熱中!

最近のTEAMナノハナ

kyo-chanのおかげで・・・楽しくにぎやかな981を満喫 (^o^)v

<これからの予定>
8/20(日):MOTO-X981
8/27(日):MOTO-X981

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ご意見・ご感想はこちらまで

名前:
メール:
件名:
本文: