嬉嬉とした日曜日 2

2017-06-07

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運転席を下りて見渡せば、遠くに“SCRAPPY”の文字を浮かばせた白いトランポが並んでいる。いつもと違うにぎわい、圧倒的に少ない4ストロークの咆哮に嬌声の混じるパドックは、カレが連れてきたのかもしれなかった。初めて見る顔と挨拶を交わしながらそのトランポに近づいていくと、Coasterの大きな車影の向こうに、見覚えのある細めた瞳と見慣れないフルサイズマシンが、陽射しを受けて明るく佇んでいた。

鈍く磨き上げられたアルミのフレームは、現行モデルにはないツインスパー。抱かれる125ccの2ストロークエンジンはYAMAHA製だ。ゼッケンプレートに“253”が並んでいないだけで、それは紛れもなく、マシンの傍らに立つShow-Gの愛機。こんな風に尖ったマシンが、カレにはとてもよく似合う。希少なマシンを間近に見られたことことじゃなくて、それを持ち込んだShow-Gに会えたことが、ただうれしかった。

近寄りがたい朴訥とした雰囲気は、旧いMX408で見ていたときのままで、少しも変わらない。だから、「ご無沙汰です!」のその後に、言葉がなかなか続かない。

その雰囲気を察してか、作業の手を止めてSCRAPPYさんが、にぎやかに割って入ってきた。

<つづく>

嬉嬉とした日曜日

2017-06-06

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ちょっとだけ遅く起きた朝、昼には焼き蛤が食べられると聞いて、いつもの県道を急ぎつないで走ってきたら・・・通りからは見えないはずのトランポがパドックにあふれ、左に倒したウインカーのまま、一瞬ハンドルを切るのをためらってしまった。9時を少し回ったばかりなのに、杉木立の向こうから、吹けきったエキゾーストがいくつも流れてくる。そして、受付小屋の中で笑うsaitoさんに左の手のひらを見せて、ゆっくり砂利道を上っていく。

てっぺんで折り返してようやく見つけた隙間は、見たことのない顔の親子連れが、KX65を整備している真横だった。

<つづく>

進入と、脱出と 6(完)

2017-06-05

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RM85Lにサイドスタンドをかませて、汗に濡れたヘルメットを脱いでいると、背中から低い笑い声が聞こえてきた。「進入と脱出の速さがまるで違う」と、ワタシとkyo-chanの走りを見ていた#2さんが、はっきりと言い切ってくれる。最終コーナーとフープスの前後、右でも左でもどこも同じように、リヤタイヤにぶつかる勢いで詰められては、立ち上がりで真横に並ばれていた。それは、音を聞けばだいたいわかる。まったくコーナーリングができてない、マシンの倒し込みも中途半端。それもよくわかってる。

「だいたい50cmぐらいズレてるねー」と、スネークの最初の立ち上がりにじっと視線を落としていたmatsunagaさんが、続けて口を開いた。この50cmこそ、RMが左に傾げている間に、kyo-chanのCRが右に加速していく理由だ。その同じラインに乗せられずにいるワタシを、「もう少しゆっくり入れれば、走れるんだろうけどなぁ」と、やさしく癒してもくれるmatsunagaさん。今日初めて味わうビッグテーブルトップの斜面に向っては、愛機のKX100を幾度も静かに宙へと舞い上げていた。

その愛弟子のoowariさんに「直線の開けっぷりは見事!」と言われても、それはハイスロのおかげでしかなくて、気恥ずかしくなるだけ。ただ、そうした長いストレートを持つMOTO-X981の爽快さは、やっぱり格別だ。一人だけ走りを褒めてくれたoowariさんに密かに感謝しながら、RMのガソリンコックをOFFに倒して、心地よい痺れをパイプチェアーに包んでもらう。見上げれば、ミニモトが集まってきたかすみがうらの空に、いつまでも笑い声が響いていた。

進入と、脱出と 5

2017-06-04

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置いていかれたら、先に逃げ出すわけにもいかない。

しびれた右腕をバックストレートエンドでぶらぶら振っては、だんだんと離れていくCR85改の、その音だけを頼りに食い下がる。それからどのくらい周回したのだろう、どのコーナーでもブレーキングがいい加減になってきて、時々アウトバンクを飛び越えそうになって・・・もうヤバいか?と深呼吸を繰り返していたら、最終コーナーで右手を挙げて、CRがコースを出ていった。肩を下げ大きく息を吐いて、素直にその後ろに続いていくと、パドックを埋めるトランポに、林の影が長く垂れてはじめていた。

<つづく>

進入と、脱出と 4

2017-06-03

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第2コーナーを、インの山ぎりぎりに立ち上がるワタシに、#2さんが身を乗り出して両手を叩く。そして、第3コーナーを回ってフープスを正面に捉えた瞬間、とうとう右からCR85改が割ってきた。テーブルトップのランディング、斜面を斜めに下りながら小さくマシンの向きを変え、それでも1つ目を勢い飛び跳ねる。ほぼ同時、初速に勝って突っ込んだはずのフープスも、6つ目を先に跳び越えたのは、CRだった。

メインジェットをひとつ絞って、代わりにスローとニードルで下を濃くして持ち込んだRM85L。ハイスロットルが装着されて、直線はかなり速く走れるマシンに仕上がってきた。「ここは速い」と褒められたビッグテーブルトップからの直線、伏せたVFX-Wのシールドに小石混じりのルーストが弾ける。まだ目の前にある背中が少し右にそれて、スロットルを戻したRMからすうっと離れていった。

極端に短いブレーキングを終わらせると、車体をねじるようにして翻し、直線の勢いそのままに、スネークを加速する。「手前にコーナーがあると思い描いて走るといい」と教えてもらっていれば、少しは着いていけただろうか・・・置き去りにされた蛇の背、傍らのKXもCRFももう見えなくなっていた。

<つづく>

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ナノハナ274

Author:ナノハナ274
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